抜群のブランド力を持つアルカンターラ
皆が憧れを抱くアルカンターラ(Alcantara)表皮材について取り上げたいと思います。
アルカンターラ(Alcantara)は、1972年に東レとイタリアの工業会社Eniの合弁で設立されたイタリアのイガント(後のアルカンターラ社)が製造・販売する商標登録されたスエード調人造皮革素材です。
東レが70%、三井物産が30%の持ち株比率の日本の素材と言ってもいいレベルです。
日本では東レがエクセーヌとして開発・展開していて、イタリア製欧州及び自動車内装向けではアルカンターラのブランド名で展開していたが、2013年にアルカンターラをイタリア製、ウルトラスエードを日本製と使い分ける事に変更されました。
実質同じ素材でも生産地でブランド名称が違う事が上手い戦略ですよね。
実際は同じアルカンターラにも3種類程の松竹梅があり、車の性格に合わせ採用しています。
日本では東レの滋賀事業場(滋賀県大津市)および岐阜工場(岐阜県安八郡)で生産され、LEXUSやR35 GT-R、スバルなどの数多くのモデルから採用されています。
海外メーカーではイタリア製のAlcantara®がイタリアのミラノで生産されて、フェラーリ、ランボルギーニ、マセラティ、ベントレー、アウディ、メルセデスベンツなどに採用とアナウンスされています。
主にイタリアではヨーロッパならではのカラートレンドやハイブランドメーカーと最新の表現手法の開発をしている様です。そこにはもちろんデザイナーが仕事をしていました。ここで言うデザイナーはカラーマテリアルデザイナーです。
最近はアルカンターラ表皮をレーザー加工でトライアングル模様を穴開け加工し、裏地に派手な表皮を合わせて手が込んだ表現が、ランボルギーニウラカンなどで表現されています。こう言った表現を開発するのがカラーマテリアルデザイナーの仕事の一部です。
また、近年は環境意識の急激な高まりや動物愛護の観点からベントレーやレンジローバーはヴィーガン対応としてレザー脱却を宣言していたりします。よりアルカンターラの需要は高まりそうですね。
はじめまして。
本ブログでは自身のカーライフ、ニューモデル情報、自動車業界、カーデザイン業界の話題などを発信し、車好きの方と楽しい話題を共有出来れば嬉しいです。
私は現在サラリーマンでカーデザイナーをしています。私がカーデザイナーを目指していた学生時代は2015年頃で既にインターネットはありましたが、今のように情報が探しても見つからなかったり、周りにデザイン業界の人が一人も居なく、困った経験があります。
自動車会社に入社試験に行った先輩達も中々情報を教えてくれなかった覚えがあります。それだけ狭い業界で、貴重な情報でした。
それ故に専門学校や公演、オンライン授業などのビジネスが成り立っている現状もあります。
でも、本来車が好きで、カーデザインが好きな人に開かれた道であるべきで、情報を囲い込む風潮は好きではありません。可能な範囲で話題を知ってもらう事で優秀な人も集まり成長し、業界の活性化にも繋がると私は思っています。
また、新しいモデルがデビューすると、賞賛もあれば批判もあります。
感じ方は人それぞれで、自由で良いことです。
しかしながら、現在の環境や時代背景を考慮してから見てみると、見え方も変わるはずです。
長々語ってしまいましたが、少しでも有益な情報発信が出来る様にしていきますので、ご覧頂ければ幸いです。よろしくおねがいします♪